鉛フリー銅合金「クリカブロンズ」
【特許登録 第3946244號】
特徴
- Cu-Sn-Zn-Bi-Ni系の鉛フリー銅合金です。
- 鉛の浸出量がほとんどなく、給水裝置器具、水道施設器具各種部品(バルブ、継手、減圧弁、水栓バルブ、水道メーター、ポンプ部品など)に適用できます。
- Ni含有により耐圧性が優れ、厚肉鋳物にも適しています。
- 鋳造方案は、JIS H5120 CAC406と同等條件で鋳造可能です。
- Ni-P-Snのバランスにより切削加工性が優れています。
- 機械的性質は、JIS H5120 CAC406と同等です。
化學成分
Cu-Sn-Zn-Bi-PにNiが1.5~2.5含有しています。
JIS規格およびCDA規格の化學成分
mass%
種類 | Ni | Sn | Zn | Bi | P | Pb | Cu |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クリカブロンズ地金 JIS H2202 CACIn904 |
1.5~2.5 | 3.0~5.0 | 6.0~9.0 | 1.0~2.0 | ≦0.03 | ≦0.1 | Bal. |
クリカブロンズ鋳物 JIS H5120 CAC904 |
1.5~2.5 | 3.0~5.0 | 6.0~9.0 | 1.0~2.0 | ≦0.05 | ≦0.25 | Bal. |
クリカブロンズ連続鋳造鋳物 JIS H5120 CAC904C |
1.5~2.5 | 3.0~5.0 | 6.0~9.0 | 1.0~2.0 | ≦0.5 | ≦0.25 | Bal. |
米國CDA C89845 | 1.5~2.5 | 3.0~5.0 | 6.0~9.0 | 1.0~2.0 | ≦0.05 | ≦0.09 | Bal. |
成分代表例 | 1.7 | 4.0 | 7.0 | 1.7 | ≦0.05 | ≦0.25 | Bal. |
機械的性質
機械的性質は、CAC406と同等です。
切削性
- 被削性係數は、CAC406Cを100とした場合、80~90です。
- BiならびにNi化合物の存在により優れた切削性が得られます。
- 切削粉は、連続的で巻いた切削粉にはならず、従來の機械加工方法で対応可能です。
![]() CAC406C 切削粉形狀 |
![]() クリカブロンズ切削粉形狀 |
なぜNiを含有させるのか?
Niの含有させることにより、Ni-Sn化合物、Ni-P化合物がBi周辺に生成し、耐圧性、切削性を向上できます。
EPMAによる元素分析結果
さらに詳細な情報は、こちらのPDFデータをご覧下さい。